子への愛

親の子に対する愛情ほど深いものはない、と言われる。

どの親もそうでなければならぬ、と思う。

しかし、いつまでも変わらぬ愛では、子がもがく。

子への愛も、幼子への愛から、人への愛へと変わらねばならない。

しかし、ここがなかなか難しい。

子は自然に変わるが、親は子に変えられねばならぬ。

変わらねばならぬ、と自覚できる親は幸いである。


慈母に敗子あり、と韓非子にいう。


あまりに情け深い親には、とかくやくざな子ができるという意味だ。

もちろん、現代では、これは母親に限らない。
母親にしろ父親にしろ、愛情のかけすぎが子どもを歪めてしまう。

父も母も、ほどほどのところで、子どもにばかり気を取られずに、自らの人生をもう一度見直せという時期がある。

それが、子への愛情のかけ方を見直す時期だ。

その時期は、子どもが教えてくれる。