克己復禮

いかに生きるか、いかなる人間として生きるかは、それぞれの「私」しだいなのだ。

「私」というものが、私欲に支配されず、そのことによって、正しいとする道を歩み歩みしていくことが、私を真にする生き方といえるのだ。


仁を為すこと己による。人に由(よ)らんや。

礼に非(あら)ざれば視ること勿(なか)れ、
礼に非ざれば聴くこと勿れ、
礼に非ざれば言うこと勿れ、
礼に非ざれば動くこと勿れ。

一日(じつ)も己に克(か)ち、礼に復(かえ)れば、天下仁を帰(ゆる)す。
論語、顔淵篇)


それぞれの者が、それぞれに、「私」というものをしっかりもたねばならない。

私が私を生きずして、誰が私を生きるのですか!

私が私を支配せずして、誰に私を支配させようというのですか!

私が私を導かずして、私を誰に導かせるのですか!