すべてをいただいて生まれてきたのですね

若い人から教えていただいた話です。

この言葉は、ずいぶんご年配の、人のために今を生きておられるような方の言葉です。


最初は、何もなかったんです。

でも、すべてをもらったのです。だから、生まれてきたんです。

たとえば、いのちをもらいました。

また、聞くための耳をもらいました。

それに、見るための目をもらいました。

味わうための舌をもらいました。

歩くために足をもらいました。

掴むために手をもらいました。

いろいろなことをしてきました。また今も、いろいろなことをしてきています。

そうやって、私は年をとってきました。

いまは、少しずつ、一つ一つお返ししていっています。

だから、耳も聞こえにくくなってきています。目も見えにくくなってきています。

そうして私は、やがて、すべてをお返しするんです。


私たちが、それらを誰からいただくのか、誰にお返しするのかについては、人それぞれのお考えでよいのだろうと思います。