いのちの後に残るものは

目先のことにとらわれていると、いのちまで目先のものになってしまう。

三浦哲郎は、その作品の中で、次のように言っている。


「自殺ってやつは、あとに残る者へ自分の中身をそっくり預けて、抜け殻になることじゃないか。

死んだやつはそれで楽になるが、あとに残された者は、死んだやつの分まで荷物を背負わされてしまう。

死ぬ自分より、死なれる相棒や身内の方がどれほど、難儀なものか、死ぬやつは知らない。」
三浦哲郎『川べり』より)

与えられたいのちを全うしても、それでも短いと感じる人生なら、こつこつと、また、淡々と慎ましく生きたいと思う。