失敗の繰り返しと自己信頼の喪失

昨晩、テレビを見ていて興味深いシーンに出合った。

というのは、人は判断の誤りを繰り返すと、自身の判断に対する自信を失うという、その心理学的実験を見た思いがしたからだ。

それは、数組の出演者たちに対して、複数の出題について二者択一の判断をしてもらって、彼らが一流芸能人か、二流・三流の芸能人かといったランクをつける番組だった。

長島さんともう一人の女性(私は人の名前をあまり覚えないのすまないが、女医さんだとか)の二人の組は、最終的に見せる価値がない人というところまで行ってしまったのだが、それはこの二人が判断の誤りを繰り返しての結果だった。

最後の問題は、専門家と素人とが生けた生け花でどちらが専門家によるものか、というものだったが、長島さんは、自身の内面にある美の感覚としての正しい判断があったにもかかわらず、その感覚判断を疑い、思考によりその判断を覆してしまった。
それは、繰り返す誤りによって自信をなくしていったために自身の感覚が信頼できなくなってしまった、その結果だった。

その番組で私が見たものは、繰り返す失敗が、いかに自己信頼を失わせていくかという、一つの実証例だった。

しかも、それは、人が自己信頼を失った結果、よりどころを思考に求め、その思考によって内面の判断がまさに意図的に切り捨てられるという、よくある我々の姿でもあった。

誰にでも、また、当然自分にも、そのようなことが起こることを知っているだけでも、役に立つだろう。