善悪を求めてばかりでは

物事や人の行為の善悪を求めようとする人は、なかなか厄介です。

なぜなら、その人は、物事や人の行為にはすべて善悪の判別がある、と考えているからです。

そのような人は、物事や人の行為に対してそうした判別をしなければ、心が落ち着かないのです。

考えてみますと、そうした人たちは心を落ち着けるということを知らないのかもしれません。心を落ち着けた状態を忘れているのかもしれません。

なぜなら、心の静かなときには、そこに善悪の判別をする作用は働いていないのですから。

してみると、そうした人たちは、心を働かすことばかりに追われていることになります。そして、そのように心を働かさなければ治まらなくなっているのです。

それは病のようなもので、なかなか、厄介なことなのです。

もし、身近にそのような人がいるなら、少し距離を置くに越したことはありません。