花がみなしぼむように、
青春が老いに屈するように、
一生の各階段も知恵も徳もみな、その時々に
花を開くのであって、永続は許されない。
(
ヘルマン・ヘッセ、
高橋健二訳「階段」より、『ガラス玉演戯』
新潮文庫)
永続は許されないが、しかし、
その時々に花を開せられるなら、それで十分ですよね。
青春に咲く花は、初々しくて、つややかで、鮮明でしょうが、
その後に咲かせる花は、どのように目に映るのでしょう。
花だとも思わずに、咲かせているかもしれませんね。
目立たない、穏やかなものかもしれません。