生きていることの苦悩を救うもの

生きていることの苦悩は、貧しく生きても、豊かに生きても、失せることはない。

なぜなら、その苦悩は、生きていることから始まっているのだから。

そして、その苦悩は、人々に見られるものであっても、それ自体は個人的なものである。

したがって、ここでいう生きていることによって生じる苦悩は、社会的諸制度によって救われるものではない、個人的なものである。

この個人的なものとは、その個人に生じるものであり、その個人がもつものであり、その個人がいじるものであり、その個人を左右するものである。

したがって、生きていることの苦悩は、あくまで個人が処するものなのであり、そうするしかないものなのである。