人の情の始まりはどこからか

人の情の始まりがどこから来るかというと、

いろいろ昔の人の言っていることを調べてみると、

(調べなくてもわかると言われそうですが、)

結局、親子なんですよね。

親と子の関係に始まると思うんですね。

人の情というのは、子が親を思い、親が子を思う、ところに始まるようなのですね。

そして、それを別の言葉で言うと、孝であり、慈だということになったりもするんですね。

面白いことに、兄弟・姉妹もあるとは思うんですけど、

どうみても、やっぱり親と子に始まる。ここが大元(おおもと)!

だって、親がこの世に子を生んだのだし、子は親から生まれたのだし、人間の関係の始まりは、もう、そこからというのが、一番素直な話なんですね。(それぞれ、「親」や「子」のところに「私」という言葉を入れてみるとわかりやすいでしょうね。)

(学者様や学者様もどきの方は、違うというかもしれませんけど・・・。)

情の話とは違いますけど、(前にも書きましたが)、親からもらった身体を粗末にしてはいけない(つまり、自分の身体を大切にしなさい)というのも、やっぱり「親子」から始まる話なんですよね。

超越者が説く話より、(そんなに賢くない私なんぞには、)親子の間から始まるというのは、ずっと納得しやすいんですね。


親を愛する情の深い人が、他人を憎む心になりえないというのは自然なことだ。
(「親を敬する者は敢えて人を慢(あなど)らず」(『孝経』)