幸せを伴う

「幸せ」は「私」の周りに満ちている、などと言うと、「なにを馬鹿な」と人は言うかもしれない。

しかし、身体を休め、心を穏やかにして考えてみると、いくらでも思い当たるものだ。

第一に、いのちをもって生きられていることだって、幸せの一つなのだ。

家族がいるなら、それだって幸せの一つだ。

親がいるなら、それだって幸せの一つだ。

子がいるなら、それだって幸せの一つだ。

話し相手がいるなら、それだって幸せの一つだ。

一杯の茶を飲む時間があれば、それだって幸せの一つだ。

健康であるなら、それだって、幸せの一つだ。

体が自由に動かせるなら、それだって幸せの一つだ。

片方の手が動かせるなら、それだって幸せの一つだ。

食べる金が有るなら、それだって幸せの一つだ。

美しいものを美しいと思えるなら、それだって幸せの一つだ。

ある年月を生きられたなら、それだって幸せの一つだ。

幸せは、心一つの置き所だ。

こうして「私」の幸せを数え上げてゆくと、自分が幸せを伴って生きていることに気づくだろう。